2007年03月18日

奉神御詠歌 SIREN

こんばんはです
柚楽弥衣でございます…
今回はちょっとおどろおどろしく。
きのうありえない時間に書いて、先ほど読んでみたら相当わけのわからない文章になっていたので、訂正してみました。
自分でも良く分からない感覚のことを書くのは難しいですね〜。

かなり前に発売されたものなのですが、SIRENってゲームの音楽についてお話したいと思います。

明日はお茶のお稽古なのですが、なんとなく寝付けなくて…。
実は歌の意識的再開にともなって過去の音源などを見直しているのですが、ゲイリーさんをこのブログの「ご紹介」でご紹介したのをきっかけに、SIRENで歌わせてもらった奉神御詠歌をもう一度聴いてみました。
(かなり時間が経っているので、自分でも何をどう歌ったのかかなり風化している…)
そして、不思議な気持ちになりました。

いやぁー、この歌を録音させていただいた時、…本当に怖かったんです。
状況はともうしますと、外は雨。
温かい時期?だったと思います。
スタジオはとても綺麗なところで、白い部屋、赤いソファがおいてあった。
ホーミーで一緒に歌われていた倍音ズさん達が帰ってしまわれて、ブースの中にわたし1人。
さびしいよう…。
さっきまで楽しくお話していた方たちがいなくなって、やけに静かです。

発音チェックや歌詞の説明をしていただき…。

ゲイリー芦屋さんと冷水ひとみさんの作られた音の上で歌っているうちにどんどん怖くなっていった。
…得体の知れない何かをずっと感じていた。
歌い終わったら部屋の温度も下がったような感じで、自分の内部も冷えていた。
時が止まったような感じだった。

怖い声の部品などもさまざまにやってみましたが、あとからあとから怖くなってゆく。
怖いのやろうっていう意識はなかったんです。…どっちかっていうと、無心になっちゃって、意識を失っていた感じです。
あたしどうしちゃったんだろう…って感じでした。
たとえて言うなら、このチャンネルにあわせちゃってよかったのかな。
大丈夫かな。…大丈夫か。戻ってこれる。
うん。ブースから出たら、大丈夫…。
っていう感じでした。

美しい聖歌のような曲も歌わせていただいたんですが、それには不思議な飛翔感があって、歌ってる最中に自分がどこにいるのかわからなくなっていた。何かがすごい勢いで立ち上っている…。
昇華していく、そんな感じでした。

その夏、旅行で、陽光降り注ぐ美しい観光地に訪れました。
そこで感じたある感覚がその時のわたしのパフォーマンスに深く関わっていました。
その土地の記念館や史跡をまわり、鎮魂のために作られた美しい音楽の流れる部屋にいたときのことです。
なんだかひどくこわかったんです。
その土地で多くの方が命を落とされた過去がありました。
その近くでは、いくたびか信仰にまつわる、悲しい痛ましいことが起きているのです。
うぅ…、なんて言ったらいいか分かりません。
その当事者の方々の精神状態、そして体験はわたしの許容量を完全に超えていた。あたりまえなんですけど…(><)

それで、不思議と恐怖を、一緒に行った家族ともしばらくそのことを話しました。

それで、わたしは夏以来、その異質な感覚をずっと抱えていたのでした。
そして、あの日のスタジオでその感覚を表に出すことができました。
解放されたんです。

奉神御詠歌…

あの録音は、忘れがたい、印象的なものでした。
歌う機会を与えられたことにただただ感謝するばかりです。

自分の中が冷えていくような恐怖も、また機会があれば表現してみたい。
同時に、間逆?なのかな?この世のものとは思われぬような至福とか、歓喜の表現にもいつか挑戦したいかなぁ…。
でもあの歌を歌っている間のわたしは恐怖を感じつつも至福だったんですけどね。

わたしのこの文章でうまく伝わってるとイイなぁ…。

SIREN公式サイトはこちらですぴかぴか(新しい)
http://www.jp.playstation.com/scej/title/siren/siren.html

ゲイリー芦屋さんの作品で黒沢清監督のLOFTという映画がありまして、そちらでも歌わせていただいているのですが、SIRENの音楽とある意味、兄弟作のようなものだね、とゲイリーさんがおっしゃっていました。
こちらは、もうすこし硬質な表現になっているな、と思います。そして、もっと温度が低い。でも振動は高いっていうのかなぁ…。

そんなわけで、怖い怖い歌の話でした。
posted by ゆら at 02:38| 東京 ☁| Comment(10) | TrackBack(0) | 歌のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
奉神御詠歌 で検索してみたらなんとご本人のところにきてしまいましたw
とても神秘的な音楽なのでいつも聞いています。
これからもがんばってくださいねw
Posted by ファンの一人 at 2008年03月23日 18:04
コメントありがとうございます(^-^)/

こんな昔の記事まで掘り起こしてくださり、なんとお礼を言ったら良いのでしょう。

奉神御詠歌聞いてくださって嬉しいです!!
応援のお言葉もありがとうございます!
Posted by ゆら at 2008年03月23日 22:01
再び来てしまいましたw
「SIREN:New Translation」で再び曲が使われましたね!!おめでとうございます!
再び「SIREN:New Translation」で神秘的な奉神御詠歌を聞いてみようと思いますw

またまたがんばって下さいw
Posted by ファンの一人 at 2008年07月31日 18:41
再びのコメント、ありがとうございます
すごい曲ですよね。
怖いんだけど不思議でなんか土着的で。。
聞いたことのない感じです。
サントラも出るということなので、もし良かったら聞いてみてください。
御詠歌以外にも、怖い声とか綺麗なのとか、とにかくたくさん歌ったので^^
Posted by ゆら at 2008年08月03日 00:07
こんにちは。
今SIRENをプレイしています。
曲が気になって検索していたら
こちらに辿りつきました。

怖くてめげそうですけど、
柚楽さんの歌が聴けると思うともう少し
頑張れそうです。
Posted by sh at 2009年02月09日 11:24
奉神御詠歌いいですよねぇ!
Posted by キリン at 2009年02月25日 11:11
SIREN(一作目)は、あまりの難しさに断念しましたが、今作(NEW TRANSLATION)でリベンジ中です!

…その流れでSIREN関係のサイトを巡って、流れ着きました(笑)


こういう怖いような神秘的なような歌って、なんか不思議な力というか、魅力のようなものがあるように感じます。
何か心に響くというか…。




SIRENの世界をより怖いものにしているのは確かですが…(涙)


めげずにクリア目指したいと思います!
Posted by ぬるゲーマー at 2010年08月16日 23:53
奉神御詠歌・・・初めて耳にした時、どんな人が歌っているのか、どんな気持ち、思いを持ちながら歌っていられるのかとても興味を持ちました。「歌う」という表現でよろしいのでしょうか?どちらかと言うと「詠みあげる」と言う方が近い感じがしました。

独特なホーミー、実際に使われているかのような歌詞、とても暗く、悲しく、罪を償い神の元へ行く。儀式と言いましょうか・・・

詠みあげられる御詠歌にあわせて舞を舞う光景が何度も頭の中で描かれました。

今回、奉神御詠歌で検索をしたら此処に辿りつきました。

知りたかった柚楽さんの気持ち、感性、僕が想像していたよりもずっと深く、広かったです。

長い文章になってしまいましたが、もし、願いが叶うのであれば、奉神御詠歌を詠みあげられている柚楽さんの姿を見てみたいです。
Posted by 音楽配達屋 at 2011年08月14日 11:17
ちょうど1年前くらいにSIREN(無印)を3年かけてクリアしました!

奉神御詠歌はいまでもつい口ずさんでしまうくらいに好きです(^_^)

不気味なのに切なくなるような、ある意味中毒性がある曲ですよね

Posted by らさ at 2011年09月21日 01:32
聴いた時からゾクゾク怖いけど、神様を恐れながらも喜びのように歌を捧げる姿が想像できました。大好きです!
Posted by 朋 at 2013年05月08日 13:22
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